床の間の床上敷
前回仏前畳を製作しましたが、今回は床の間に敷く上敷きのご注文をいただきました。
床の間の畳には施工の仕方が3通りほどあります。
①床板に畳表を張り付ける
②通常の畳と同様、55mm程度の床畳を敷く
③床板が化粧板、またはコンパネの場合、5mm程度の厚みの床上敷を敷く
今回は③のケース。手縫いで仕上げていきます。
床の間用表で、最初から黄色く目幅の広い「龍鬢表りゅうびんおもて)という特殊な表を使用します。
目幅は大目と小目の2種があり、大きい床の間には大目を。幅の狭いところには小目を。今回は小目を使用。
予算にもよりますが、通常のイ草表で作る場合もあります。
へりは床の間用の高級高麗紋縁「白中紋」。織物で、普通のヘリと違って高価なものです。
床の間が通常のサイズ180cm程度ですので、裏面にゴザを重ね合わせて縫い上げていきます。
龍鬢表に対して、中に挟むイ草表を90度反転させることで、薄いですが表を引っ張り、シワを寄りにくく張ることができます。
寸法を確認して表を切ります。上敷のカット断面はこんな感じです。
長尺の床の間の場合は、合わせゴザは無しで、スタッカーで上敷きを留めます。
へりの逢着が済むと折り返して、畳表面に糸が見えないよう、裏側から縫っていきます。
5mm程度の薄さです。
完成!